【#財務指標図解シリーズ:FCF理論株価倍率】
☑️FCF理論株価と実際の株価を比較して割安性を評価
☑️FCF:企業が稼いだ自由に使えるお金
☑️WACC:企業が資本を調達するためのコスト
☑️FCF ÷ WACC:理論上の企業価値
フリーキャッシュフローから逆算して株価を計算🤔
WACC👉https://t.co/eYnKAezk1a pic.twitter.com/SdljIAwKAj— なおころ@ゆるふわ投資ブロガー (@Naokoro_) 2018年10月22日
企業が稼いだ自由に使えるお金、いわゆるフリーキャッシュフロー(FCF)を起点に株価の割安性を評価する『FCF理論株価倍率』をさくっと解説。
今回の指標に至っては完全になおころオリジナル。
EV/EBITDA倍率と同様に
BS・PL・CF3つの書類を駆使して計算するため
企業の本質的な割安性を計測するにはぴったりです。
ぜひ気になる企業の財務分析に活かして下さいませ!
FCF理論株価倍率の定義
FCF理論株価倍率とは
FCF、WACC、理論株価と順に理解しましょう!
【財務指標】FCF(フリーキャッシュフロー)とは?
FCFの定義:企業が稼いだ自由に使えるお金
- FCF = 営業CF + 投資CF
- FCF = NOPAT + 減価償却費 – 設備投資額 -運転資本増価額
例えばある1年間で企業の売上が100万円であった場合、
その全てを自由に再投資できるわけではありません。
商品の材料費、人件費、広告宣伝費などの諸経費や
銀行への利息の支払いなどで100万円はどんどん減っていきますよね。
最終的に、支払う義務のある支払いが全て終わった後に手元に残ったお金こそがFCF(フリーキャッシュフロー)、いわゆる自由に使えるお金という訳です。
また、実際にFCFを計算する際の方法は2通り。
よく使用されているのは『営業CF + 投資CF』で算出される簡易的なFCF。
営業CFの段階で設備投資以外のほとんどの費用は払い終えた値。そこから投資CFのマイナスの値を足し合わせればフリーキャッシュフローになる、といった考え。
簡単な計算式ではありますが、実用に耐えるレベルです!
WACC(加重平均資本コスト)とは?
『企業が資金を調達するときにどれくらいのコストが必要か?』を把握するための指標。
詳しくはWACC(加重平均資本コスト)とは?計算例と合わせて定義を解説!をどうぞ!
理論株価の計算 (FCF ÷ WACC)
理論株価はFCFをWACCで割り引くことで計算することができます。
将来的に、FCFが大きく変化しないと強めの仮定を置いた場合、
WACCで割り引くと『将来的に対象企業が稼ぐキャッシュの総額』つまりは『企業価値』が算出されるのです。
企業価値が算出できれば後は簡単。
企業価値から有利子負債を差し引いて時価総額(株主価値)とし、
株主価値を発行済株式数で割ることで
FCFから逆算した理論株価の出来上がりです!
あとは割合の計算で実際の株価と比較するだけで割安性の評価は完了。
FCF理論株価倍率
- (FCF理論株価 – 実際の株価) ÷ 実際の株価
FCF理論株価倍率の目安
- FCF理論株価倍率の目安は0.22倍
PayPay証券の日本大手30社を分析したところFCF理論株価倍率の平均は約0.22倍。
つまり、平均的にはFCF理論株価は実際の株価の5分の1程度の価値しかない。言い換えれば、実際の株価が圧倒的な割高感を放っていることがわかります。
https://availability89.com/stock-market/dollar-stock/one-tap-buy-stock/
FCF理論株価倍率が高い企業
PayPay証券採用銘柄からFCF理論株価倍率が高い企業をさくっとご紹介!
- キリンホールディングス:1.30倍
- ヤフー:1.05倍
- セブン&アイ:1.00倍
FCF理論株価が実際の株価を上回っていたのは上記3社。
お宝銘柄を発掘できるでしょう!
https://availability89.com/stockanalysis/japanese_stock/kirin/
FCF理論株価倍率を高くする方法
- FCF理論株価を高くする
- 実際の株価を低くする
実際の株価を低くするようでは本末転倒なので
必然的にFCF理論株価をどこまで上昇できるかの勝負です。
具体的には売上増や費用の削減によるフリーキャッシュフローの増加、
そして適切な負債の借り入れによるWACCの引き下げが考えられます。
どちらも多数の変数に影響を受ける指標であるため、部門単位での改善は困難であり、
全体を統括する経営陣のコミットが欠かせないでしょう。
FCF理論株価倍率まとめ
FCF理論株価倍率とは
- FCFから逆算した株価と実際の株価を比較して割安性を評価
- 目安は0.22倍
- FCFの増加もしくはWACCの減少によって改善
PERやPBRだけを調べていては発掘できないお宝銘柄を見つけましょう!
財務分析を活用して投資に挑戦してみたい方には『株式投資の教科書』がおすすめ。
他の財務指標の解説やチャートの分析方法など株式投資に必要な知識を詰め込んでいます。合わせてどうぞ!
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それではまた、株式市場でお会いしましょう。
すべての投資家達へ。なおころより。
https://availability89.com/financial-indicators/
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