本ページでは固定資産と自己資本から財務安全性を測定する指標【固定比率】についてわかりやすく解説します。
計算式や目安となる数字、固定比率を低くするための方法など投資家やアナリストが注意すべきポイントをまとめてお届け!
固定比率とは?意味と計算式を解説
固定比率(%) |
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指標分類 | 安全性 |
意味 | 企業の固定資産がどの程度 自己資本で調達されているかを 測定する指標(固定比率の値が 小さいほど財務安全性が高い) |
計算式 | 固定比率 = 固定資産 ÷ 自己資本 |
目安 | 140.9% |
改善方法 | 固定資産(工場など)が 少なくて済むビジネスをする 自己資本を増やす |
算出に 必要な 財務諸表 |
BS:固定資産、自己資本 |
PL:必要なし | |
CF:必要なし | |
英語名 | Fixed Ratio |
企業のビジネスモデルから財務安全性を評価する財務指標【固定比率】は固定資産を自己資本で割ることで計算できます。
固定資産と自己資本の定義も合わせて確認しておきましょう⬇︎
要するに、企業が1年以上かけて使用する資産が、どれだけ(負債ではなく)自己資本で調達されているかを測定する指標が固定比率です。
もちろん、固定資産がすべて自己資本によってまかなわれている方が安全性が高いため、固定比率が100%を下回ると企業の中長期的な資金繰り状況はカナリ良好であることが伺えます。
固定比率の目安は140.9%
- 固定比率の目安は140%
- 100%を下回ると安全性が高い
日経225の企業データ(2019)を活用して固定比率を計算したところ、平均値は140.9%となりました。
ひとつの目安となる100%を大きく上回る企業、つまり固定資産の調達を負債にも頼っている企業の方が多いことが分かりますね。
もちろん資金の調達コストを加味すると「無借金経営が最高」とは言えませんが、高すぎる固定比率は倒産の可能性も示唆しているため注意が必要です。
あなたの就職先や取引先の固定比率はおよそ何%でしょうか?実際に計算してみると面白い発見があるかもしれません。ぜひ日経225の平均値と比べてみましょう!
あなたが気になる企業の固定資産と自己資本額を入力してみましょう!自動的に固定比率が計算されます。
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固定比率を低くする方法をわかりやすく解説
- 固定資産を減らす
- 自己資本を増やす
固定比率を低くするには固定資産を減らすか自己資本を増やすの2択しかありません。
ただ、固定資産の圧縮は一朝一夕には進みません。製品製造の基礎となる工場や建物を処分することや、固定資産が少ないビジネスへの多角化など、長期間での取り組みが必要になります。
よって、財務安全性を高めることを目的とした固定比率の改善を目指す場合、自己資本の増加を狙うのが得策でしょう。
具体的には本業で固定資産あたりの利益を増やす、つまりは効率的な利益の追求が有力候補として挙げられます。経営者の腕の見せ所ですね。
次章で紹介する企業のビジネスモデルや固定資産の内訳をチェックすると参考になりますよ!
固定比率が低い上場企業3社を紹介
なおころが独自開発した財務分析エクセル【IRIS】の分析結果と合わせて、日経225企業の固定比率ランキングTOP3を発表します。
固定比率11.1% 松井証券
松井証券 | |
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証券コード | 8628 |
固定比率 | 11.1% |
財務分析 | 49点 |
固定比率31.1% 東京エレクトロン
東京エレクトロン | |
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証券コード | 8035 |
固定比率 | 31.1% |
財務分析 | 71点 |
固定比率39.6% ファーストリテイリング
ファーストリテイリング | |
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証券コード | 9983 |
固定比率 | 39.6% |
財務分析 | 61点 |
固定比率をさらに詳しく知るための書籍
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固定比率はビジネスモデルから財務安全性を測定する指標 | まとめ
固定比率の特徴まとめ
- ビジネスモデルから財務安全性を測定する指標
- 固定比率 = 固定資産 ÷ 自己資本
- 目安は140%(小さい方が好ましい)
本ページでは固定資産と自己資本から財務安全性を測定する指標【固定比率】について解説しました。
企業の財務安全性を測る上で流動比率と合わせてチェックしておきたい数字ですね。
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